耳より情報2023年9月 No.463

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

AI時代には失業者を養う経済モデルが必要だ ダンビサ・モヨ(国際経済学者) 

1.人工知能(AI)は人類に火や電気よりも「深遠」な影響を与える。アルファベット(グーグル)のピチャイ最高経営責任者がそう予言したのは今年4 月。その影響を正確に見通すのは不可能にしても、とりわけ可能性が高いと思われる変化が2 つある。労働需要が減り、生産性が向上するというものだ。言い換えれば私たちは労働を必要とない経済モデルに向かっているといえる。 

2.ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)を含む、新たな生成AIによる失業リスクに最も直接的にさらされるとみられるのは、事務処理、法律サービス、会計の仕事だ。だが影響は経済の全域に及ぶ公算が大きい。言葉を使った作業は労働時間の62%を占めるため、LLMは全労働時間の40%に影響を及ぼす可能性がある。 

3.とはいえ、生産性の向上によって経済成長が底上げされたとしても、仕事が減れば経済がむしばまれ、結局は成長が鈍化する可能性は大いにある。人間の仕事の需要が減れば、失業率は跳ね上がる。悪影響は当該企業にとどまらない。投資が減れば、経済全体の成長が損なわれ、経済のパイが縮んで生活水準が低下する。中間層の崩壊が進み、資本家と労働層の格差も広がる。

(参考:「週刊東洋経済」2023 年7 月8 日号) 

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