このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
エシカル消費(倫理的消費)が消費者を動かす新たな物差し
1.自然や人権の保護など、倫理的に良いものにお金を出す「エシカル消費」(倫理的消費)。従来、消費の決め手と言えば価格と品質だったが、そこに新たな軸が浮上した。エシカルな視点を無視し続ければ、企業のイメージは地に落ちかねない。エシカルな商品やサービスを提供するにはこれまで以上にコストがかかる。ただその価値を消費者に認めてもらえれば、コスト以上の利益を生むこともできる。
2.その商品はエシカル(倫理的)なのか。それが消費者を動かす新たな物差しになり始めている。エシカル食品の世界市場は4502 億ドル(約63 兆円)。今後も成長を続け、30 年には7294 億ドル(約102 兆円)に達する見通し。日本だけでも30 年には6 兆円規模になる見込みだ。食品だけでこれだけの金額を動かすエシカル。だが、その対象は食品だけではない。
3.一般社団法人エシカル協会(東京・渋谷)の大久保明日奈理事は、「地域の活性化や雇用なども含む、人権・社会・地域環境に配慮した商品やサービスを選ぶこと」だと解説する。人、社会、地域、環境、生物多様性。暮らしに関わるあらゆる分野で、目の前の商品やサービスがどんなルートをたどって自分の前に提供されているのかを見極めようとする動きが広がっている。
(参考:「日経ビジネス」2023 年7 月24 日号)