このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
企業不正の奥底に潜む大きな問題
１．企業の不正発生に影響を与える原因として「個人の不正許容度」「組織の不正黙認度」が大きい。個人の性格の影響は見られず、企業の不正は特有の組織要因によって起こることが多い。このような企業の不正発生には「共同体主義」が関わっている。本来企業は、目的を追求する「機能集団」だが、日本では情けによってつながる、家族や村のような「基礎集団」、共同体としての性質を併せ持つ。
２．そして共同体化した組織で生まれる、共同体のあり方が絶対的に正しいとする「共同体主義」が、企業の不正発生に関わる問題であると指摘する。不正抑制には「閉鎖性」「同質性」「役割の不明確化」といった環境自体を変え、共同体主義を脱却することが必要だと考えられる。
（参考：「週刊東洋経済」2023 年7 月22 日号）