耳より情報2023年11月 No.491

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

事業ポートフォリオマネジメントを重視する 入山 章栄(早稲田大学ビジネススクール教授) 

1.グローバルにおいて、日本企業はその利益率の低さが指摘されているが、その最大の理由は事業ポートフォリオにある。特に複数事業を持つ大手・中堅企業では、戦略的な事業ポートフォリオマネジメントを展開できているところは少ない。米中デカップリングをはじめとする「分断」、テクノロジーの急速な発展による「破壊的な変化」といった不確実性により、経営の先行きを見通すことは困難になっている。 

2.こうした不確実性の高い変化はリスクだが、同時に好機にもなる。それは日本の質の高いサービスを世界に提供するにもなり得る。そのためにも、自社の勝ち筋を早めに見定めて事業ポートフォリオ再編を急ぐべきで、取締役会は最低でも3 カ月に1 回は事業ポートフォリオを議論するべきである。 

3.長期視点の事業ポートフォリオマネジメントには、会社の方向性を従業員らに納得してもらう「センスメイキング(腹落ち)」のほか、新規事業を開拓する「知の探索」と既存事業を深堀して磨き上げる「知の深化」の双方を進める「両利きの経営」がカギになる。20 年、30 年先の事業に向けて「当社はこういう方向で世の中に貢献し、こういう価値を提供して稼ごう」ということを訴え、社員、顧客、投資家らをワクワクさせるようなストーリーを示し、腹落ちさせて巻き込むことが大事だ。 

(参考:「週刊東洋経済」2023 年8 月12・19 日号) 

>NPO法人マザーズドリームでは、いつでも寄付を受け付けています

NPO法人マザーズドリームでは、いつでも寄付を受け付けています

NPO法人マザーズドリームの活動にご協力ください。