このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
拝む心 横田南嶺(臨済宗円覚寺派管長)
1. 高校生の頃に、晩年の山田無文(むもん)老師にお目にかかる機会を得た。この時にもなんと神々しいお姿かと感動した。晩年の無文老師はあまり言葉を発せられなかったが、そのお姿、たたずまいに心打たれた。人間は修行すれば、こんなに尊くなれるのかと思った。
2.後に無文老師が、「私は毎日起きますと輝くお日様に手を合わせます。月が残っていれば優しいお月様にも手を合わせます。見えない空気にも手を合わせます。お粥(かゆ)の中の米粒にも沢庵(たくわん)にも手を合わせます」と説かれているのを知って驚いた。老師はこのように手を合わせ拝む暮らしをされていたのだ。
(参考:「致知」2023 年11 月号)