このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
「高圧経済」の長所・短所
1.熊本県や北海道で進む政府主導の半導体投資「高圧経済」と呼ばれるマクロ経済政策の一種です。政府が総需要を刺激すれば、労働参加率や生産性の引き上げなど供給サイドが変化するという内容で、2010 年代に米国で注目されました。ただ、生産性の低い分野から高い分野に人や資金を移すことの弊害もあります。
2.医療・介護といった業種は生産性が低くとも社会的ニーズの変化で就業者数が増えており、仮にこれらの業種から生産性の高い製造業やIT 産業に労働者が動けば、質の高い医療・介護を受けたい人たちを無視することになりかねません。成長分野における民間投資の促進と、社会的ニーズとのバランスも同時に考える必要があります。
(参考:「週刊東洋経済」2023 年10 月14 日号)