中小企業の勝ち残り方    入山 章栄(早稲田大学ビジネススクール教授) 

1.中小企業の強みは柔軟に変化できること、同族経営が多いことだ。大企業も中小企業も優秀な経営者がいるかどうかが重要だ。中小企業は小回りが利き、全体を変えていきやすい。変革には20 年、30 年と長期の視点が必要だ。同族経営であれば、トップが長時間経営に取れ組める。変化の激しい時代は中小企業のほうが有利だ。これからは、中小企業の時代になると考えている。 

2.イノベーションを生むには新しいアイデアが必要だ。新しいアイデアを生むためには、自社と懸け離れた領域の知識を幅広く持ち、既存の知識と掛け合わせていく必要がある。多様な領域の知識を持った新しい経営者と、中小企業が蓄積してきた技術やブランドとか組み合わされば、イノベーションが起きやすい。だからこそ事業承継を促して、新しい経営者が本業を潰す勢いで、リスクを取って挑戦できるようにすることが大事だ。 

3.地方の中小企業はつい「まずは東京へ」と思ってしまうが、そこを飛び越えて世界に出るべきだ。海外展開の際には、自社を見つけてもらうことで肝になる。違う分野の展示会に参加するなど多様な人と交流することで、思いも寄らない企業が注目してくれ、新しいシナジーが生まれる可能性も高くなる。

(参考:「週刊東洋経済」2024 年5 月25 日号)

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