1.日本には江戸時代の鈴木正三、石田梅岩から、明治時代の渋沢栄一に至るまで、非常に実践的でしかも精神性にも富む優れた伝統的経済論がありました。西洋の経済学に勝るとも劣らない素晴らしい財産があるのに、あまり着目されていないのはとても残念なことです。
2.ただ私が言いたいのは、我々日本人はものすごい知的遺産を持っているということ。そしてそのことに自信を取り戻すべきだということです。欧米人が日本の偉人を熱心に研究し、日本を高く評価しているのは、逆に解釈すれば、素晴らしい知的遺産を生かし切れていない現代日本人が嘆かわしい、というメッセージでもあると思います。我われ現代日本人は、まずこのことを踏まえて改革に取り組むべきです。
(参考:「致知」2024 年9 月号)