円安による二極化逆転  木内 登英  (野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト) 

1.現在、日本経済は二極化状態にある。グローバル企業を中心に企業の収益環境は良好だ。それを映して、株式市場も概して堅調である。他方、個人消費はかなり弱い状況にある。この二極化をもたらしている大きな要因が円安だ。円安はグローバル企業の収益を改善させ、株価を押し上げる。 

2.また、円安による物価上昇観測は実質金利を押し下げ、株高やさらなる円安を促す。他方、円安による物価高懸念は、賃金上昇傾向が高まる中でも個人の消費マインドを悪化させているのである。歴史的な円安の流れが終わり、円高の流れに変わるのであれば、二極化は逆方向へと転じ、個人消費が回復に向かう一方、株価は上昇しにくくなるだろう。 

(参考:「週刊東洋経済」2024 年8 月3 日号) 

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