世界と比較「仕事満足度」「エンゲージメント」「仕事の面白さ」共に低い    太田 聰一(慶応大学経済学部教授) 

従来の傾向として、他の先進国に比べて日本では働く人々の仕事満足度が低い。PWC社が行った昨年の国際比較調査でも、仕事に満足している労働者の比率はОECD (経済協力開発機構)全体の56%に対し、日本はОECD24 カ国中23 位にとどまっている。 

    2. 仕事への没頭や熱意などの「エンゲージメント」と呼ばれる側面でも日本の指標は他国に比べて低い。一昨年のギャラップ社調査によると日本において仕事に「エンゲージしている」従業員は5%にすぎず、世界平均の23%、ОECD加盟国平均の20%を大きく下回っている。ここまで仕事満足度やエンゲージメントが低いと仕事そのものの面白さと関連しているかもしれない。 

    3.実際、ⅠSSPという国際調査で日本は、仕事が「面白い」と答えた比率が他の高所得国より低い。仕事の面白さの指標が日本で低くなるのは「これまでの仕事で得て経験が役立っていると思う人が少ない」「過去1年で教育訓練を受けた人の割合が低い」「「仕事の自律性(1 人でできるかどうか)が小さい」「職場における人間関係がうまくいっていない」「仕事に社会的意義を見い出している人が少ない」といった特徴がある。しかも、日本では他国に比べ、自律性よりも人間関係の円滑さのほうが仕事の面白さに与える影響が大きいという。

    (参考:「週刊東洋経済」2024 年8 月10・17 日号) 

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