中堅・中小企業は経営者次第で伸びる  入山章栄(早稲田大学大学院経営管理研究科教授) 

1.日本は基本的に中堅・中小企業の国で、そこが盛り上がるのは重要だ。近年は大企業で人余りが生じる一方、成長する中堅・中小企業では人材不足となっている。雇用の受け皿としても重要だ。中堅企業のほうがしがらみも少なく、経営者次第で会社を変えやすい。デジタル技術の進展で経営改革や海外進出も容易となっている。工夫と経営力次第でいくらでも業績を伸ばせる時代であり、大企業かはもはや関係ない。 

2.ただ重ねて言うが、経営者次第だ。生き残るためには変革が必須で、長期ビジョンも必要だ。変化が激しく目の前の分析ばかりでは外れてしまう。数十年後にどんな未来をつくりたいか、納得感ある姿を考えるべきだ。納得感があれば「両利きの経営」ができる。 

3.つまり現業の効率化(進化)と新たなチャレンジ(探索)が両立する。日本の多くの会社は進化ばかりで探索ができていない。探索は大変なことで、失敗すれば減損にも見舞われる。それを継続するには納得感あるビジョンが必要だ。ガバナンスを利かせる上では、融資などで中堅企業と関係がある地方銀行など金融機関の役割は重要だ。人手不足や事業承継問題が深刻化し、M&Aも大事になる中で、再編を促す存在として地銀は役割を果たしていかなければならない。

(参考:「週刊東洋経済」2024 年11 月23 日号) 

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