
1.従来、景気対策は、金利を引き下げて投資需要を喚起することだったり、交付金などによって消費を増やすことだったり、公共事業などによって公共投資を増やすことだったりと、総需要刺激策とほぼ同義で使われてきた。しかし、このようなロジックが成り立つのは、供給サイドに余裕があり、増えた需要に対して、供給できるだけの製品が十分にある場合の話である。
2,製品がなければ、重要がいくら増えたところで、売り上げ増にはつながらない。マクロ経済全体でみても、供給制約の下では、総供給が増えなければ、総需要が増えてもGDP の増加にはつながらない。現在、日本では人手不足など、総供給の制約が問題になっている。そのため、労働供給を増やす政策や、同じ労働人口でも、より付加価値を高くするような研究開発支援など、供給力を引き上げる政策が、重要になっている。
3.つまり、景気をよくしようと考えた総需要喚起策が、ますます総供給力を低下させ、結果として景気を悪化させることになりかねない。
(参考:「週刊東洋経済」2025 年1 月25 日号)