No.779 賃上げは経営者の志だ    森雅彦(DMG森精機社長)

 

1.物価は上がっているのだから、賃金は上げないといけない。値引きを抑えて、生産性を高めて、増えたグロスマージン(粗利益)の2~3割を社員に分配する。日本はこの30年間、定価を上げるという発想がなかった。しかし、ドイツは毎年価格表を作って、定価を数%上げている。「安さ」を売りにしている国は絶対に良くならない。賃上げはいたずらに金額だけ増やしてもだめ。時給を上げないといけない。 

2,残業時間を増やして賃金が上がるのもだめ。理想論とは思うが、理想を追求しないと意味が無い。「色々あるんだよ」と言い出したら、何もできない。今の日本はそういう人の塊だ。例えばドイツでは社長と従業員の給料が何割以上離れてはいけないといったルールがある。副社長は社長の何割ぐらい、取締役は、一般の従業員の平均年間給与の50倍を超えてはならないと定めている。日本企業もこういうルールを作るべきだ。そうして社長や役員の給与を上げればいい。すると、みんなの給与も上がって、内部留保が適切に減る。 

3.企業規模にかかわらず、賃上げは経営者の志だ。賃上げするとなれば、値付けの段階から自社のブランド力を見つめ直すことになる。強い体質にだってなれる。

(参考:「日経ビジネス」2025 年2 月17 日号) 

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