
1, トランプ政権を突き動かす力は2 つだ。1 つは中国問題、もう1 つが格差問題だ。中国の過剰生産と過剰輸出は2001 年に中国がWTO(世界貿易機関)に加盟して以降続く。米国内における格差問題も中国の台頭とリンクしている。トランプの岩盤支持層はかつて製造業が盛んだった州の没落した中間層。製造業を米国内に取り戻して安定雇用を生み出すために、極端な政策を唱え続けることになるだろう。
2, 1980 年代以降の新自由主義とグローバリゼーションは経済を活性化させた一方、解放されている米国市場で大きな利益を上げてきたのは事実。そうした歪みを修正するために、中国だけでなく日本やEUなども一律でターゲットにしているのだろう。
3,日本企業には大きなチャンスだと思う。ある程度のブロック化が進んでいくことを前提に、まず国内市場を見直すべきだ。半導体関連投資やインバウンド関連のホテル投資も活発化しており、ホームマーケットの魅力は大きい。東アジアや東南アジアにも成長のチャンスがある。
(参考:「週刊東洋経済」2025 年5 月24 日号)