No.871 「責任者が現場を見ない組織」大企業病はそこから生まれる    下 義生(日野自動車前社長)  

 

 

1, 未来は予測できない。経営はその前提に立つべきです。経営戦略を立て、「これしかない」と固執すれば社会の変化に対応できなくなります。ビジネスで大切なのは柔軟性です。特に大企業には変化を受容する懐の深さが欠かせません。また、経営者には時代の流れを俯瞰(ふかん)する目が求められます。 

2, とはいえ大企業は決断までに時間がかかる。硬直的な組織だからでしょう。いわゆる大企業ですね。近年でもスピード感の違いからスタートアップとの協業で立ち往生する大企業の事例が散見されます。大企業病の原因の一つに「責任者が現場を直接見ない」という組織構造があります。 

3, 例えば、社長がある事業の責任者からプロジェクトの進捗報告を受けたとします。「現場を見たのか?」と問えば、多くは「そう聞いています」と回答するでしょう。これではファクトに迫れません。変化は常に現場で起きている。現場を頂点とした逆ピラミッド型の組織が企業のあるべき姿だ、と考えています。

(参考:「日経ビジネス」2025 年7 月7 日号) 

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