No.880 「脱・永守流経営」へ大方針転換した理由 

 

 

1. 「売上高を10 兆円にするということを言い過ぎた」。6月20 日に京都市内で開催された株主総会で、ニデックの永守重信グローバルグループ代表は、経営方針の急転換を認めた。永守氏が「30 年度に10 兆円」の目標を撤回した直接的な要因は、成長のけん引役に位置付けていた電気自動車(EV)用の駆動モーター「イーアクスル」の拡大計画が破綻したことだ。 

2. ニデックが「30 年度に売上高10 兆円」の旗を降ろしたことで、もう一つの従来方針「株価至上主義」も揺らぎ始めている。これまでのニデックは、永守氏が掲げた売上高10 兆円というビジョンを株式市場に示すことで、時価総額を押し上げる経緯がある。 

3.ニデックの時価総額は21 年2 月に8 兆円を超える規模となりピークを付けた。当時は、日産自動車出身の関潤氏が社長を務めていたが、その後、永守氏は「業績不振」を理由に関氏を解任した。しかし、岸田社長にCEOを譲った後も時価総額の下落は止まらず、今年4 月には2.4兆円まで落ち込んだ。時価総額の回復が遅れれば永守氏から「交代」を迫られるシナリオが再び浮上する。 

(参考:「週刊ダイヤモンド」2025 年9 月6 日号) 

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