No.883 「社長になるなら会長・相談役は置かない」    長坂 一(東海カーボン社長) 

 

 

1, 10年前に65歳で東海カーボンの社長に就任しました。このとき2つのことを考えました。1つは事業のスケールアップです。当時の経営幹部には「売上高を拡大する必要はない、技術力があり一定の利益を得ていれば会社は安泰だ」という考えがまん延していました。 

2, 東海カーボンは1918年に創業。製鉄所の電炉で鉄くずを溶かす黒鉛電極の生産・販売を祖業とし、タイヤ材料のカーボンブラックなどを手掛ける素材メーカーです。100年の歴史ある企業が1000億円程度の売上しか出していないことに疑問と不満を持っていました。 

3, 2つめに考えたことが、会長と相談役を置かないことです。会長や相談役が上の立場として存在すれば、いちいち相談をしなければいけなくなります。そして、8~9割の事案が却下されるだろうと思いました。トップに立つ以上、責任感を持って自分の考えで決断を下したいと考えていました。紆余曲折はあります。責任も増え多くのコミュニケーションも求められます。それでも自分の考えを迅速に行動に移せるのが経営トップの魅力だと思います。  

(参考:「日経ビジネス」2025 年8 月25 日) 

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