
1. 2005 年に社長に就任して2 年目に経営危機に突入しました。いつ会社がつぶれてもおかしくない状況に陥ったのです。そんな逆境で役立ったのがリベラルアーツでした。私は文学部のフランス文学科卒です。文学や哲学、科学、歴史などを多く読みました。通常なら経営危機に直面した企業は、事業構造の転換や、大幅なコストカット、大規模な人員整理など外科手術的な対策を実行します。
2. しかし私は企業文化の変革という内科的な治療に注力すべきだと思いました。危機の中で、私たちはいつの間にか理念を見失い、利益だけを追いかける「業績数字追いかけマシン」になっていました。
3. 数値目標にせきたてられた社員は疲弊するばかり。社員はモチベーションを失うと余計に業績は厳しくなる。そんな悪循環に陥っていました。だからこそ、「何のために働くのか」「この会社は何のために存在するのか」といった哲学的な問いに向き合う必要があると思いました。
(参考:「日経ビジネス」2025 年10 月27 日号)