このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
お釈迦様の本質は何か 窪田慈雲(代々木上原禅堂師家)
1.お釈迦様の本質は何かと考えると、結局それはあらゆる観念から「ほど(仏)けた人」だと思うんです。自分は偉い、自分はすごいんだという「私」を中心とした観念からほどけた人。修行を積み重ねて、そうした観念からほどけさえすれば、誰でも苦しみから離れて自由になれますよ、とお釈迦様は教えています。
2.お釈迦様は、自分と自分を取り巻く世界との壁がなくなって、生まれたり死んだりする自分もなく世界もない。透き通った中身が空っぽの一如(いちじょ)の世界に没入してしまった。要するに、覚悟を持って真剣に坐禅修行を続ければ、誰もが自分と同じような体験、悟りを得ることができる。お釈迦様はその見本を私たちに示すために人間界に現れたと思います。
(参考:「致知」:2021年8月号)