耳より情報2021年10月 No.93

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

「日立ショック」が重大な理由 ウリケ・シェーデ(米カリフォルニア大学教授)

1.日立製作所の企業変革(09年3月期の7873億円の赤字の時、構造改革に着手したこと)が、日本人にとって「日立ショック」といえるほど重要な「大転換」であることを伝えたい。それは、次の3つの理由からだ、①「選択と集中」、バージョン2.0の神髄。日立は、電機メーカーからインフラ・データソリューション会社への大転換を含む「KAISHA再興」の好例。
2.②「言い訳」の終焉(しゅうえん)。日立の事例は、日本国内の規制や無言の圧力、あるいは限られた条件下でも、抜本的な「大転換」が可能であることを示す。他の大企業が挙げる様々な「変われない理由」が、言い訳でしかないことがはっきり分かる。③企業資産を取引する国内市場の創設。日立の事業売却やカーブアウト(事業分割)で、国内のプライベート・エクイティ(PE)市場が急成長した。3.21世紀初頭、企業が変われない説明には、傾聴に値するものもある。例えば、伝統と「創業精神」が大きな障害となっていたというものだ。「大き過ぎて社内事情が複雑」という言い訳もよく聞く。子会社の社長が本社の社長と同年卒だから潰せない、稼げないビジネスを手じまいするとコストがかかり過ぎる、との話しもある。だが日立はこうした言い訳を全て無効にする。

(参考:「日経ビジネス」2021年7月19日・26日号)

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