このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
企業の都合で労働条件を決めてはいけない大薗誠司(ハンズマン社長)
1.九州を地盤にDIYホームセンターを展開するハンズマン(本社・宮崎県)は、「ハンズマンで働いて良かった」と思ってもらえる会社作りの一つとして、大薗誠司社長が業界ナンバーワンの給与の実現を社員に約束した。すると社員に安心感が生まれ、接客が向上した。業績の伸長とともに社員の収入も増え、平均年収は約549万円となった。これは全国の会社員平均を約110万円も上回っている。
2.大薗社長は「企業の都合だけで労働条件を決めてはいけない。社員が安心して働くことができることが重要」と考え、成果主義は導入しない。一般的に小売業は薄利多売で非正規雇用が多くなりがちだが、同社の正社員比率は8割と高い。そこから考えても、ロスジェネ(就職氷河期世代)は、「経済界の都合」で生まれたものにほかならない。
(参考:「Wedge」2021年11月号)