このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
従業員のマインドと会社のトップダウンの方針が合致すると別次元の会社へ 東原敏昭(日立製作所会長兼CEO)
1.経営者に求められる資質は、グローバルの経験は大事ですが、重要性が高まっているのは時代を読む力です。日立は良いものを作って売る製品起点のビジネスから、パートナー企業と課題を解決する「協創型のビジネス」に移行しました。現在は、環境を含めた社会価値起点になっています。
2.環境意識の高まりや新型コロナウイルスの感染拡大で急激な時代の変化が起きています。そういった状況の中で30年とか50年にはどういう社会になるかを想像し、それをビジョンとして頭の中に描いて、日立の経営の方向を決めていく。それがリーダーとして大事です。
3.トップダウンで会社を変えることには限界があります。一番大事なのは従業員一人一人が、仕事を通じて社会に貢献し、日立を変えていくんだというマインドになることです。そういう従業員のマインドと、会社のトップダウンの方針が合致したとき、日立は別次元の会社になると思います。そうなれば、どんな環境でも、1兆円の営業利益が出る強靭な経営ができると確信しています。現在の日立は、いままでとは雲泥の差です。日立独自の形で「社会イノベーション事業」のグローバルナンバーワンを目指します。
(参考:「週刊ダイヤモンド」2021年10月2日号)