耳より情報2022年2月No.165

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

東証が企業統治指針に知財を盛り込んだ理由

1.日本製鉄とトヨタ自動車が争うのも知財なら、アップルの時価総額を倍増させているのも知財。知的財産(知財)は守るべき財であるのと同時に、攻めるための武器でもある。投資家による企業評価でも知財戦略が重視される今、経営者や知財担当者には何が求められているのか。
2.2021年6月、上場企業に求められる企業統治の原則であるコーポレートガバナンス・コードを、東京証券取引所が改訂した。改訂の中に、取締役会が監督し、適切に開示すべき対象に追加された項目がある。「知的財産への投資」だ。正林国際特許商標事務所の所長で弁理士の正林真之氏は次のように解説する。「米アップルの時価総額は今や280兆円に達しており、日本の21年度国家予算である106兆円の2倍を優に超えています。しかし、PER(株価収益率。時価総額が当期利益の何倍かを示す指標)は20倍で、20年の利益が7兆円だったアップルにこの数字を適用すると、時価総額は140兆円にしかなりません。にもかかわらず、アップルの企業価値はなぜ、その2倍にも膨らんでいるのか。その答えは知財です。
3.特許や商標といった狭義の知財に加え、イメージや評判といった広義の知財まで含めたアップルの知的財産が、それだけ高く投資家から評価されているというのだ。だが、多くの日本企業は、ソニーなど一部の例外を除き、これまで知財を十分にアピールし、活用してきたとは言い難い。

(参考:「週刊ダイヤモンド」2021年12月25日・2022年1月1日号)

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