このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
ゼネラリストより専門家をリーダーに
1.日本では管理職として出世するにはゼネラリストであることが重視されてきた。リーダーには多様な仕事や勤務地を経験させることが常識だった。とりわけゼネラリスト志向が強いのが官公庁だ。「キャリア官僚」と呼ばれる人材は2,3年で定期異動を繰り返す人事制度は今も続いている。民間企業では、一貫して専門領域を歩んできた人材がトップに就く例も目にするようになった。
2.しかし、幅広い経験を積ませることが人材育成として理想的なのだろうか。あらゆる分野で専門化・高度化が進んでいる現状、何かを「そつなくこなす」ことのハードルはこの上なく高くなっている。にもかかわらず短期間での異動を繰り返しては、専門知識は一向に高まらない。その結果生まれるのは、表面的理解しかない素人に毛の生えた程度の人材である。
(参考:「週刊東洋経済」2022年1月8日号)