このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
物価上昇が日本の強みを磨いた 小峰隆夫(大正大学教授)
1.1970年代に起きた2度の石油ショックは人々の暮らしや企業活動に大きな影響を与えました。2度の石油ショックの影響は異なったわけですが、継続的に物価上昇が訪れたことは日本の企業に大きな変化をもたらしました。例えば、自動車産業では燃費のいい車がどんどん造られるようになりました。「石油は貴重なもの」「大切に使わないといけない」との意識を消費者も含めて高まったことが背景にあると言えます。
2.車だけではありません。危機的な状況だったからこそ、省エネ型という日本製品の強みが生まれ、それが80年代からの発展へとつながっていきました。では、今回の物価上昇はどうでしょう。技術革新や新たな付加価値を生み出す転機になる可能性があるのではないでしょうか。
(参考:「日経ビジネス」2022年5月16日号)