このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
下積み時代は将来のための貯金 桐竹勘十郎(人間国宝、人形浄瑠璃文楽座人形遣い)
1.若い頃の下積み時代というのはいろんなことを考えます。自分のやっていることがばかばかしくなった り。私も「しんどい」「やめたい」と思ったことがあります。でも、それを「いまは十年、二十年後の自分のための貯金をしているんだ」「真面目(まじめ)に貯金を積み重ねていけば、いつかは必ずぱっと使える時が来る」。そう気持ちを切り替えて乗り越えてきました。
2.文楽に限らず、どの分野でもなぜその仕事をしなければならないのか、ちゃんと理由があるはずです。 この年齢の時にこの仕事をきちんとしていたら、次にはこれができるようになるというように。ですから、そこで下積みを嫌がったり、怠けたり、いい加減なことをしていると、必ず後々に響いてくる。これは私のこれまでの体験から得た実感です。
(参考:「致知」2023 年 2 月号)