このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
「異論を唱える義務」が事件・事故を減らす
1.政策研究大学院大学の黒川清名誉教授は、「日本は同質性が高く、異論を言いにくい社会だ」と指摘す
る。例えば、「社外から取締役を招いたところで、結局は経営者のお友達であることが多く、経営の方
針に異を唱えることはほとんどない。このような会社はガバナンスに不備があると言わざるを得ない」。
2.率直に物を言い合える組織づくりで参考になるのが米コンサルティング大手、マッキンゼー・アンド・
カンパニーだという。「マッキンゼーでは、『異論を唱える義務』を社員の規範にしている。物事が決まりそうになった段階でも、考え直した方がいいと思えるような異論を出すことで、よりよい結論を目指している」。(黒川氏)。それが、大小さまざまな事件・事故を日本から減らすことにつながるだろう。
(参考:「日経ビジネス」2023 年1 月30 日号)