このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
キャリア人材を活用する「人中心」が事業戦略のバックボーン (オリックス)
1「均質な組織を崩す」「同質性が高いとイノベーションは生まれない。だから自前主義を捨てる」等今や大転職の時代である。少数だが国内にも、外部人材の活用によって成長を続ける先行実践企業はある。オリックスだ。「隣へ隣へ 新しい価値を創造する」。名誉会長を務めた故・乾恒雄氏の経営哲学に表れるように、祖業のリースを起点に事業を広げてきた。
2.オリックスには、プロパーの人材と、外で専門的なことを経験した人材をミックスして、新しいものを作ろうとするコンセプトが、もともとある。例えば、東日本大震災後に本格化した太陽光発電など再生可能エネルギー分野。そこで、重電メーカーや電力会社と異業種の技術系人材を採用してきた。
3.オリックスは今や、アセットマネジメント(資産運用)から水族館運営まで手掛ける。完全に人の力で支えられている。リース会社の人間だけでは絶対に成長の持続に耐えられない。キャリア人材を活用する「人中心」が事業戦略のバックボーンにある。十数人で起業したベンチャー精神が売上高2 兆5000 億円、グループ従業員約3 万3000 人の巨大企業になっても、息づいているともいえる。
(参考:「日経ビジネス」2023 年2 月20 日号)