このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
今、注目されているオーセンティック・リーダーシップ 入山 章栄(早稲田大学ビジネススクール教授)
1.世界中の何万という経営学者によって、組織のモチベーションの上げ方や人を引き付けるリーダーの法則は理論化されています。経営学者によるリーダー像の研究の中で、今、最も注目されている考え方の一つが、オーセンティック・リーダーシップです。端的に言うと、自分をさらけ出すリーダー・シップです。
2.昔は組織のメンバーが固定されていて、与えられたタスクをしっかりやる仕事ばかりでした。みんなを引っ張っていく力強いリーダーが必要でした。ところが、リーダーが上から目線で「俺が俺が」という感じでや ると、心理的安全性がなくなり、下の人たちが全然発言できなくなります。発言しないから、チームが機能 しなくなる。
3.これに対して、オーセンティック・リーダーシップは、自分そのものをさらけ出すから、チームのメンバーは「この人は頼りないけど、嘘偽りはない。じゃあ、サポートしてあげよう」という気持ちになります。組織の求心力や心理的安全性が高くなり、みんなが多様な意見を言ってくれるようになり、結果的に組織とし て機能します。人の出入りが激しく、変化が激しい時代には、こういうリーダーがすごく重要だ、と経営学ではいわれます。
(参考:「日経ビジネス」2023 年4 月17 日号)