耳より情報2023年8月 No.447

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

日本企業は本当に変わることができるのか 早川 英男(東京財団政策研究所主任研究員、元日銀理事)  

1.これまで儲かっても賃金上をせず、投資もせず、内部留保ばかり溜め込んできた日本企業が変わろうとしている。最大の変化は、30 年ぶりの大幅な賃上げである。こうした変化の兆しを捉えて、日本企業は目覚めつつあると指摘する識者もいる。だが、本当に変わることができるのかとなると、話は別だ。この30 年の間に日本企業、日本経済の足腰はそうとう弱ってしまったのだ。 

2.心配な変化の1 つは、資本財の競争力低下である。15 年前のリーマンショックのとき、日本は金融面の痛手は浅かったのに、景気ダメージは大きかった。これは、世界的な設備投資の落ち込みを背景に資本財輸出が激減したためだ。つまり、資本財産業の競争力の強さの反面でもあった。 

3.もう1つの心配は、国際収支の中で「その他サービス収支」の赤字が顕著に拡大していることだ。ここには知的財産権の使用料や、通信・コンピューター・情報サービス、専門・経営コンサルティング、研究開発サービスなどの先端サービスが含まれており、やはり日本の競争力劣化を示唆(しさ)する。この赤字拡大のため、インバウンド(訪日外国人旅行)急増でもサービス収支の赤字がなかなか減らない。

「週刊東洋経済」2023 年6 月24 日号) 

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