1.2024 年の最大のテーマは日本を「普通の経済」に戻すことだと思います。緩(ゆる)やかに物価が上がり、賃金が上がり、消費が上向く。普通に金利があって、企業は稼いだお金を成長投資に回す。その全てが止まっていた「失われた30 年」を脱却する端緒は見え始めています。24 年も昨年以来の賃上げが続きそうです。しかし企業の成長と一体でなければ賃上げは持続しません。経営者はまず成長戦略を描き、構造改革を進め、労働生産性を高めて賃金を上げる。
2.日本製鉄の橋本英二社長はインタビューでこう語っていました。「社長を退任する時に一番こだわったKPI(重要業績評価指標)を聞かれたら、社員の給与をどれだけ増やせたかだと答える」。賃上げに覚悟を込めた経営者の言葉です。
(参考:「日経ビジネス」2024 年1 月8 日号)