進化する日立の「イズム」(変わるもの、変わらないもの)

1.1973 年に放映が始まった日立製作所のテレビコマーシャル。「この木なんの木、気になる木」の初代CM は、こんなメッセージで締めくくられている。「みんなが集まって、みんなが持ち寄って、新しいものを作ろうと思っています。 あなたを取り巻く問題が、日立のテーマです」。短いフレーズだが、日立が創業以来貫いてきたイズムをよく表している。1つは集団主義。もう1つは新しい技術へのこだわりだ。 

2.日立は個々人がそれぞれの力で戦う個人プレーよりも、協力して課題に立ち向かう団体戦を重んじてきた。それは日立が1910 年に鉱山向けで発足後、水力発電、鉄道と事業を拡大してきた歴史と密接に関わる。インフラ設備のように規模の大きな案件は、個人プレーで解決できるようなものではない。チームで取り組むしかなかったのだ。そのせいか、ソニーやパナソニックなど、ほかの電機大手と比べて、創業者小平の影響は薄い。 

3.昔も今も変わらない成長の種は、技術である。5 馬力モーターから始まり、鉄道、家電、コンピューター、計測機器とこれまでも時代のニーズに応じてさまざまな新技術を生かして事業を展開してきた。日立はこれからグリーン、グローバルに次ぐ第3の柱の育成を進めていくことになる。

(参考:「週刊東洋経済」2024 年3 月9 日号) 

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