企業は資本効率や競争力の向上へ努力  木内登英(野村総合研究所エグゼクティブエコノミスト) 

1.「物価高」「金融緩和」「円安」の三つの要因の間での循環、相乗効果によっていまの株高は成り立っていると考えられる。いまの株高現象は、物価高による名目値の水膨れに、異例の金融緩和が演出した金融相場が複合した様相といえる。しかし、三つの要因は、持続的なものとはいえないだろう。重要なのは、株価上昇が、日本経済や企業の成長力や生活水準の向上をもたらす国際競争力や労働生産性などの「実数値」の改善を背景にしているとは考えられない。 

2.足元の株高と実体経済との間にはギャップがあり、実体経済を改善させることで、両者のギャップを埋める努力をするべきだろう。企業が引き続き資本効率や競争力の向上などに取り組むのは当然だが、働き手もリスキリング(学び直し)などを通して、技能を磨き、労働生産性を上げる努力が必要である。 

(参考:「週刊ダイヤモンド」2024 年3 月16 日号) 

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