1.『論語』の「己を克(せ)めて礼に復(か)える」という言葉は、他者を責める前に、自らの不徳を自省して礼節を失わぬ慎(つつし)みのこころと思うが、お互いに引くことを知らぬ正義の争いは、時に災いの種となり世の中を乱す原因ともなる。また、礼節とは人間相互だけはなく、私共の生きる地球や自然に対しても持つべきものである。
2.このことは私共の日常生活においても留意しておくべきであろう。私共はいま、人間として「真に守るべき価値とは何か」ということを深慮し、戦争や自然災害の世を生きなければならない時を迎えているように思う。
(参考:「致知」2024 年7 月号)