博士不足でイノベーション停滞   平井 良典(AGC・CEО) 

1.「イノベーションを起こすためには、前例の無いことをすることに対する課題、設定、能力が重要。その能力をつけるには、博士号を取ることが非常に有効だ」。こう語るのは、素材大手AGCの平井良典・社長執行役員最高責任者(CEО)。2021年、同社として初の博士号を持つ社長となった。工学博士であり京都大学の客員教授を務める。博士人材の活用不足が日本経済停滞の要因だ。 

2.平井氏はこう続ける。「高度経済成長期からバブルまでは、『欧米企業にどう追いつくか、追い越すか』という課題が見えていた。ただバブル崩壊後は課題が見えなくなり、みんな右往左往した。そして『失われた30年』に入ってしまった」。「世界初」のモノやサービスを生み出すイノベーションの実現には、博士の課題設定能力が生きる。そうした認識が日本企業に広がってこなかったのだ。

(参考:「日経ビジネス」2024 年10 月14 日号) 

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