経営トップの座に固執し居続けるのは拝金主義が根底    吉原 毅(城南信用金庫元理事長) 

1.2015年6月、私は城南信用金庫の理事長の任期を終え退任しました。10年に理事長に就任した後、新たに導入したのが、理事長を含む役員の60歳定年制です。理事長の任期も最長4年と定めました。私の退任はこの定年制度に従ったものです。この制度を導入した理由は、かつて、長期政権の弊害に悩まされたからです。長期にトップにいると周囲とコミュニケーションができなくなり、社内で何が起きているか把握できなくなります。その結果、どんどん暴走してしまうことが過去にありました。 

2.長期政権を防ぐだけでなく、役員と職員を平等にしたいという思いがありました。職員は60歳で定年するのに、役員だからと60歳を超え高齢になってもいつまでもやめないのはおかしい。さらには、役員間で差をつけるのもやめ、全員年収を同等にしました。常務、専務、理事長など区別しません。役員を評価し待遇を変えるのはそもそも間違いです。 

3.経営者で一番必要なことは志です。新たな製品やサービスを生み出し世界を変える。社会貢献意欲がありそこにロマンを感じるからこそ、事業を継続できると思います。ですが、目先のお金のことを考えている人が増えていると感じます。トップの座に固執しいつまでも居続けるのは、拝金主義が根底にあるからです。 

(参考:「日経ビジネス」2024 年10 月7 日号) 

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