武士道は自己尊敬、自己犠牲、自己責任、惻隠の情に要約される  後藤 俊彦(高千穂神社宮司) 

1.「農は国の基」という言葉があるが、国家とわが国の人々の生命を守り、つないできたものが農業であり、その中でも稲作の担う役割は大きかった。農耕生活は開墾や自然災害との戦いでもあったから、自ずから共同体を形成し、その中心となったのが神社であり、神社は発生当初から公的生活を帯びていた。 

2.一方、そのような暮らしの中では義理や人情の心が重んじられ、相互扶助の精神が育っていった。今日、災害の被災者が争うことなく助け合い、またボランティア活動に勤(いそ)しむ若者の姿にもその心情(こころ)は生きている。 

3,やがて社会制度や国家の仕組みが高度になるにしたがって、組織の中における道徳や規律や、あるいは忠誠心が求められるようになり、武士道という精神に昇華していった。その特質は自己尊敬、自己犠牲、自己責任、そして惻隠の情という言葉に要約されるように思われる。

(参考:「致知」2025 年1 月号) 

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