No.741「日本一の高さ」の称号を求めた代償

1.「とどのつまりは初動ミス。最初の段階でしっかり検証して、人材も投入して対応していれば、ここまで損失が大きくなることはなかった」。準大手ゼネコン、三井住友建設のIR担当者はそう口にして肩を落とした。三井住友建設は2024年11月12日、現在施工中の国内大型建築工事で131億円の工事損失を計上すると公表した。それに伴い2024年度の最終損益は80億円の赤字になる見通しだ。 

2.損失を計上した施工中の工事とは、タワーマンション「麻布台ヒルズレジデンスB」のことだ。「三井住友建設は『身の丈』を超えた工事を請け負った」。複数のゼネコン関係者は指摘する。そもそも麻布台ヒルズプロジェクトは清水建設の受注が自然な流れだったが、清水が断ったため、そこに飛びついたのが三井住友建設だった。『日本一の高さ』という称号が欲しかったため、会長・社長案件として検討不足のまま進められた。

(参考:「週刊東洋経済」2024 年12 月21 日号) 

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