No.744「儒・仏・道・禅・神道」が日本の精神文化   田口 佳史(東洋思想研究家) 

1.陽明学の祖・王陽明は、衰退への道を歩み出した国は本質を外れて枝葉末節論ばかり繰り返すようになると言っています。いまの日本で行われている議論というのは、ほとんど枝葉末節論に終始しているように感じられてなりません。小さなことに神経を尖らせてばかりで、根本や本質を見逃している。これでは王陽明の言うように、衰退の道を辿っていく一方でしょう。 

2.日本には元々神道があって、そこに老荘思想、儒教の思想、仏教、禅が入ってきて、日本の精神文化の根源をなしたと思います。私はこの儒・仏・道・禅・神道からなる日本の精神文化こそが、いま世界が抱えている諸問題を解決に導くと考えています。この儒・仏・道・禅・神道からなる精神文化こそが日本の根源であって、これを取り戻さなければダメだと思います。ところが、この伝統精神文化についての教育が全く行われていない。これは大問題です。

(参考:「致知」2025 年2 月号)  

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