
1.新しいスキルの修得に当たり個人がまず考えるべきは、「今の自分がそれを身に付けることで何が起こるのか」だ。昨今、リスキリングやスキルアップというと、学ぶこと自体に焦点が当たりがちだが、「そのスキルは仕事の中でどう評価されるのか」が明らかになっていなければ、ただ身に付けるだけで終わってしまう。
2.例えば、現在勤務する企業で働き続ける前提のリスキリングなら、周りの人が持つスキルとの組み合わせや自身の職務の中で生かしていく道までの合意形成が必要だ。貴重な時間を割くより前、学び始める前に、スキルを評価する仕組みの有無を点検しておきたい。
3,よって、経営層が最初にやるべきことは、学ぶことの体系化ではなく、評価の体系化だ。「当社が評価するのはこういうスキルです。自分も学びます。皆さんも学んでください」という順番で進めていくことになるが、現在それができている企業はほとんどない。
(参考:「週刊東洋経済」2025 年3 月8 日号)