2025年5月20日(火)20時~21時
参加者 : 2名
いつものように私の挨拶から始まり、坂村真民先生の「二度とない人生だから」
を唱和し「二度とない人生だから」について、私たちはどう生きていけば良いのか等について語り合いました。
今日の話のネタ【なぜ歳を重ねると、時間が飛ぶように早いのか?】についても語り合いました。「えっ、こないだお正月だったのにもう5月?」なんて会話が日常茶飯事になっている昨今。この現象、実は「ジャネーの法則」で説明がつきます。19世紀のフランスの哲学者ポール・ジャネーが提唱した法則で、ざっくり言うと「時間の感じ方は年齢に反比例する」というもの。数式で表すと、ある年齢における時間の体感=1÷年齢。で、体感時間はどんどん短くなるという訳です。例えば5歳の子の1年は「1/5」=人生の20%にも相当する大イベント!でも、50さいの1年は「1/50」、つまりたったの2%・・・だからこそ、大人になるほど「何気ない一日」を大切に味わうことが、豊かな時間の感じ方につながるのかもしれませんね。飛ぶように過ぎる日々に、少しブレーキをかけて、「今この瞬間」を意識して生きてみましょうという結論になりました。
その後、小学校6年生の道徳『日本人の心とかたち「真・行・草」』の教材について語り合いました。
『日本人の心とかたち「真・行・草」』
『心とかたち』私たちが、毎日している「おじぎ」。そのおじぎには、いろいろなかたちがあることを知っていますか?下記のお話を参考にして考えてみましょう。
「のりこさん、こんばんは。」お祭りの夜店をながめていた私は、急に声をかけられたのでびっくりして振り向いた。そこには、紺地の着物を着て、髪を上げた素敵なお姉さんが立っていた。「美智子さん?」「そう。私よ。こんばんは。」そう言って、美智子さんは、私に軽く頭を下げた。美智子さんは、近所に住むお姉さんで、仕事は国際線のCA(キャビン・アテンダント/客室乗務員)をしている。私のあこがれのお姉さんだ。ふだんは洋服姿でさっそうとしていて、「品が良くて、素敵な人ね。」と、母がいつもほめている。
「美智子さんは着物姿も素敵ですね。」「ありがとう。」美智子さんはうれしそうに、ほほえんだ。「のりこちゃん、どなた?」いっしょにいた仙台のおばさんが聞いた。「近所に住んでいる美智子さん。国際線のCAをしているの。」と私が言うと、美智子さんは「こんばんは。初めまして。山口美智子と言います。」と言って、丁寧におじぎをした。それは、わたしへのあいさつやお辞儀とはちょっと違っていたが、それがまた、私にはとてもすてきに感じられた。「美智子さんは、国際線の客室乗務員をしていらっしゃるの?すてきなお仕事ですね。」と、おばさんが話をしていると、かけてきた小さな男の子が、突然、美智子さんにぶつかって転んだ。」「あっ。大丈夫?」美智子さんは男の子に声をかけると、すぐにしゃがんで、けががないかを確かめていた。それを見ながら、私は、(お祭りの人ごみの中を走っていた男の子がいけないんだ。)と、ちょっといじわるなことを考えた。そこに、男の子のお母さんがおくれてやってきた。美智子さんは、そのお母さんに、「申し訳ございません。私がここに立っていたものですから、ぶつかってしまいました。でも、おけがはないようですからご安心ください。」と丁寧に対応して、深くお辞儀をした。「大丈夫です。うちの子がいけないのです。金魚すくいをしたいと夢中で駆け出したものですから・・・。すみませんでした。」そう言うと、お母さんは男の子の手を取って、金魚すくいのあるほうへ歩いて行った。二人の背中を見送っていた美智子さんは、なぜか「しまった。」という顔をした。「どうしたのですか?」「思わず、仕事の時のような対応をしてしまったわ。」と言って、美智子さんはクスクス笑った。
「仕事の時のような対応?」私がその意味を聞こうとしたとき、「それでは、そろそろ失礼します。お祭りを楽しんでください。」と、美智子さんは丁寧に頭を下げ、別れていった。おばさんは、その後ろ姿を見送りながら言った。「素敵な人ね。美智子さんの心が、美しい『かたち』になっていたわ。さっきのお母さんも、気持ちが良かったでしょうね。」
帰り道、私は美智子さんの言葉が気になっていたので、おばさんに、「『仕事のときのような対応』って、どういうこと?」と、聞いてみた。おばさんの話では、お辞儀にはいくつかの種類があって、時と場合によって使い分けるのだそうだ。
改まった場合や尊敬の念を強調するーーーおわびはこれにあたるーーー時には『真のおじぎ』。
目上の人に対する挨拶やお礼の気持ちを表す時には『行のおじぎ』。
知り合いの人とすれ違う時には『草(そう)のおじぎ』というように、言葉だけでなく、おじぎという「かたち」で気持ちを表すのだそうだ。
そして、「国際線の客室乗務員をしている美智子さんは、そうした訓練を受けているから、とっさに、男の子のおかあさんには『真のおじょぎ』が出たのね。」と、言った。
そう言われてみると、私に対するお辞儀と初対面で年上のおばさんへのおじぎ、それに男の子のお母さんに対するお辞儀は確かに違っていた。其の後、華道(生け花)を学んでいるおばさんは、「真・行・草」の礼儀は華道にもあること、そして、それはもともと書道の「真書(しんしょ)・行書(ぎょうしょ)・草書(そうしょ)」からきていることを教えてくれた。「ただいま。お母様。」と言って、私は、『行のお辞儀』をした。「のりこ、いったいどうしたの?」と、母は不思議なものを見るような顔をした。私は、おばさんと顔を見合わせて笑った。
~学び~
- のりこさんが、お辞儀をした美智子さんのことを、「すてき」だと思ったのは、なぜだろう。
- 「心が、美しい『かたち』になっていた」とは、どういうことかな?
- 今日の学習を通して、心とかたちのつながりについて考えたことをまとめてみましょう。
- あなたも「真(しん)・行(ぎょう)・草(そう)のおじぎ」を、時と場合で使い分けてみましょう。
カフェ会を重ねるたびに少しづつではありますが、私達の魂が何ミリかではありますが大きくなるような内容を取り扱っていこうと、思っております。
NPO法人マザーズドリーム 牧原
※サポートメイト(伴走支援)は商標登録済です。