No.809 多様性を生かすには日常的な場が必要   苅谷剛彦(英オックスフォード大学名誉教授)

 

1.最近のはやり言葉に、「DE&I」がある。日本語では多様性、公平性、包摂性となる。ここでは多様性について考えてみよう。日本の大学でも教職員や学生の多様化を図ろうとする動きが顕著だ。その理由づけに、異なる背景を持つ人々が協働することで豊かな視点やアイデアが生まれ、イノベーションが促進される、という見方がある。もっともな理由である。 

2.しかし、それらが実効性を持つには、多様な背景を持った人々の間に十分なコミュニケーションが成立していなければならない。しかし多様性の効果が発揮されるのは、実はインフォーマルな場で行われる、それこそ自由闊達なコミュニケーションを通じてである。例えば、偶然座った人たちとの闊達な会話が豊かな視点やアイデアを与えてくれる機会となる。

 (参考:「週刊東洋経済」2025 年3 月22 日号) 

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