
1.和製の生成AIモデル(大規模言語モデル=LLM)も役者がそろってきた。NEC、富士通が独自のLLMを導入して、AIサービスを展開しているのだ。多くの日系エレクトロニクス企業は長い冬の時代を過ごしてきた。ITバブル崩壊、中国、韓国、台湾メーカーの台頭、リーマンショック、デジタルシフトの遅れ。日本を代表するエレクトロニクス企業であるNECと富士通が歩んだ道のりも業界全体と一致する。
2.NECと富士通は共通点が多い。かつてパソコンと半導体事業を主力として圧倒的な競争力を誇りながら、事業環境の変化に適応できず撤退した。「ガラケー」からスマートフォンへの移行も遅れ、携帯市場からも姿を消した。
3,一転して足元の業績は好調だ。富士通の主力セグメントであるサービスソリューションの売上高は20 年度の1 兆7000 億円から23 年度には2 兆1000 億円に伸長。NECのITサービスの売上高も21 年度1 兆6000 億円から23 年度には1 兆9000 億円に膨らんでいる。そして、苦闘の歴史にいよいよ終止符打つ契機と期待されているのが独自LLMを使った生成AIサービスなのだ。
(参考:「週刊ダイヤモンド」2025 年6 月14 日号)