- 2022年5月1日
耳より情報2022年5月 No.205
顧客から欲しいと言われる前に、潜在的ニーズを満たす商品を出せるかどうか 滝崎武光(キーエンス創業者・取締役名誉会長、2003年「日経ビジネス」で語る) 1.キーエンスの営業の特徴は、1974年の設立時から一貫する直販体制だ。この点について滝崎氏は「付加価値の高い商品を作ることを追求してきましたが、カタログだけでは当社の商品の良さは分かってもらえない。商社に頼んでも開発者の意図を正確に顧客に伝えなら […]
顧客から欲しいと言われる前に、潜在的ニーズを満たす商品を出せるかどうか 滝崎武光(キーエンス創業者・取締役名誉会長、2003年「日経ビジネス」で語る) 1.キーエンスの営業の特徴は、1974年の設立時から一貫する直販体制だ。この点について滝崎氏は「付加価値の高い商品を作ることを追求してきましたが、カタログだけでは当社の商品の良さは分かってもらえない。商社に頼んでも開発者の意図を正確に顧客に伝えなら […]
商業道徳の退歩 (解説)世人ややもすれば、維新以後における商業道徳は、文化の進歩に伴わずしてかえって衰えたと言う。維新以来物質文明が急激なる発達をしたるに反し、道徳の進歩がそれに伴わなかったので、世人はこの不釣合の現象に著しく注目して、商業道徳退歩というのである。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会
非財務情報の開示度合いが企業を左右する 1.1月3日、米IT大手アップルの時価総額が3兆ドル(約340兆円)の大台を突破した。アップルの時価総額のうち、株主資本(株主が払い込んだお金と、これまでの利益の蓄積。総資産と総負債の差額)で説明できる部分はわずか2%しかない。残りの98%、320兆円以上の価値は決算書類のどこにも載っていないのだ。近年、時価総額のうち株主資本以外の部分は「非財務資本」(時価 […]
学を廃すべからず(佐藤一斎) 1.禅の高僧・松原泰道氏は言う。「佐藤一斎が『言志晩録』の中で、例え視力や聴力が落ちても、見える限り、聴こえる限り、学を廃すべらず、と言っている。私も老いてきましたが、この言葉を糧として死ぬ間際まで読むこと、書くこと、話すことは続けていきたい」。2.安岡正篤師の高弟・伊與田覺(いよださとる)氏は言う。「東洋の老いは人間完成に向けた熟成期なのです。年を取るほど立派になり […]
中興の祖の3つの能力 1.1980年代までは伝説として語り継がれた中興の祖が数多く存在する。では失われた30年で、中興の祖と呼ぶに相応しい人物は誰か。そのリーダーたちは大きく3種類に分けられる。会社の危機を救い再建を果たした経営者。新たな事業を生み出し、会社や組織の姿を大きく変えた経営者。最後が、既存事業をベースに海外展開などで事業を拡大した経営者だ。「会社が置かれたフェーズに合わせて、3つの能力 […]
能率が良くなる (解説)能率が悪いということは職工が何かにある語ですが、職工ばかりでは無い。通常の事務を処する人でも、この時間にこれだけの事をするということを遅滞なく完全に遂げて行くことが出来ると、仕事は沢山に出来て来る。すなわち、能率が良くなる。事務においてもなおしかりと思う。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会
大切なのは「部外者の視点」 鳥塚亮(えちごトキめき鉄道社長) 1.2019年から新潟県にある第3セクター、えちごトキめき鉄道(上越市)の社長を務めています。観光列車を走らせるだけではなく、普段は立ち入り禁止の車庫を巡るツアーとか、回送列車ツアーなどを企画しています。何に価値があるのかを発掘するのがポイントです。自分たちには当たり前の場所であっても、外の人にとってはワンダーランド(おとぎの国)だった […]
世界的な資源インフレでの企業の声(企業の7割が「経営に打撃」大手50社) 1.精密機械業…原油高と運送コストの上昇は、そう簡単には下がらず、この水準で固定する可能性が高い。国全体で賃上げを行って、同時に価格転嫁を進めるべきだ。2.建設業…資材コストの上昇局面は非常に難しい経営環境。3.食品業…低価格志向の強い食品を扱う当社にとって、コスト高の継続は経営状況に影響を与える。価格訴求ではなく価値訴求を […]
非財務情報の開示や充実の背景 伊藤邦雄(一橋大学CFO教育研究センター長) 1.機関投資家は気候変動関連のリスクや機会、人的資本など、非財務情報の開示や充実をますます求めるようになっている。その背景は大きく3つある。1つ目は会計の地殻変動だ。かつては最新の生産設備など、ピカピカの有形資産を持っていれば競争力が上がり、ひいては企業価値も高まった。ところが、1990年代後半以降、企業価値を高めるドライ […]
無駄な時間を費す (解説)我々が始終一殊に私などは、それについて恥入って、諸君にも始終迷惑をかけるが、この物の切(きり)盛(もり)のつかぬために無駄な時間を費す。これがどうも事物の進むほど注意せねばならぬことと思う。従ってこれが極端に行くと、能率が大変に悪くなる。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会