- 2021年12月1日
耳より情報2021年12月 No.125
従業員のマインドと会社のトップダウンの方針が合致すると別次元の会社へ 東原敏昭(日立製作所会長兼CEO) 1.経営者に求められる資質は、グローバルの経験は大事ですが、重要性が高まっているのは時代を読む力です。日立は良いものを作って売る製品起点のビジネスから、パートナー企業と課題を解決する「協創型のビジネス」に移行しました。現在は、環境を含めた社会価値起点になっています。2.環境意識の高まりや新型コ […]
従業員のマインドと会社のトップダウンの方針が合致すると別次元の会社へ 東原敏昭(日立製作所会長兼CEO) 1.経営者に求められる資質は、グローバルの経験は大事ですが、重要性が高まっているのは時代を読む力です。日立は良いものを作って売る製品起点のビジネスから、パートナー企業と課題を解決する「協創型のビジネス」に移行しました。現在は、環境を含めた社会価値起点になっています。2.環境意識の高まりや新型コ […]
欧米から非難された商工業者 (解説)然るに我日本における商工業者は、なおいまだ旧来の慣習をまったく脱することが出来ず、ややもすれば道徳的観念を無視して、一瞬の利に走らんとする傾向があって困る。欧米人も常に日本人がこの欠点あることを非難し、商取引において、日本人に絶対の信用を置かぬのは、我が国の商工業者にとって非常な損失である。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会
経営の意識改革が急務(人権問題) 伊藤和子(国際人権NGO事務局・弁護士) 1.ビジネスと人権の問題について、日本政府の対応が遅れている。諸外国では、法律が制定されているが、日本ではそこまでは至っていない。今後は法規制していくことが必要だ。立派な人権方針を掲げていても実現の仕組みがなければ、ただの願望を書いているにすぎない。「方針倒れ」で実態が伴わなければ、「グリーンウォッシュ(見せかけの環境対策 […]
若手時代の10の挑戦 土屋哲雄(ワークマン専務取締役) 1.「若手時代にやるべき10のこと」(「する」こと)(1)今の仕事に「集中してプロになる」(2)1次情報に接する(3)自分より頭の良い人と付き合う(4)人と議論して、良さを吸い上げる(5)仕事以外にも興味のあることを極める2.「若手時代にやるべき10のこと」(「しない」こと)(1)もっと自分に適した仕事があると思わない(2)聞きかじりをしない […]
日本企業停滞の原因(その2、経路依存性) 入山章栄(早稲田大学大学院経営管理研究科教授) 1.一体、この日本企業の変わらなさは何なのか。僕は、これは「経路依存性」だと理解しています。経路依存性とは、既存の仕組みやルール、意思決定などに縛られてしまうことを言う。会社や組織のビジネスモデルは、いろいろな要素が合理的にかみ合って出来上がっています。合理的にかみ合っているからこそ、会社はうまく回っていきま […]
武士道は商工業者のもって立つべき道 (解説)ただかの人々は道義を本(もと)とし富貴貧賤を末としたが、古の商工業者は、これを反対にしたから逆に富貴貧賤を本(もと)として道義を末とするようになってしまった。誤解もまたはなはだしいではないか。想うにこの武士道は、ただに儒者とか武士とかいう側の人々においてのみ行われるものではなく、文明国における商工業者の、もって立つべき道もここに存在することと考える。 ( […]
「人権」が重要な経営判断基準(欧米) 1.グローバル化に伴って企業活動が引き起こす人権問題はしだいに顕著化してきた。開発途上国を中心に、強制労働や児童労働、環境破壊を伴う企業活動は以前からあったが、2000年代に入ると、企業の社会的責任が強く問われるようになった。11年の国連人権理事会の決議において、「ビジネスと人権に関する指導原則」が全会一致で支持された。2.15年に国連で採決されたSDGs(持 […]
良い社風の原点(TOTO) 1.1通の手紙が、その後100年以上続く企業の社風を形づくった。その手紙は、TOTO初代社長の大倉和親氏が、後継者の2代目社長に宛てたものでした。その言葉は次の通りです。2.「どうしても親切が第一奉仕観念を以而(もって)仕事をお進め下され度(たく)良品の供給、需要家の満足が掴むべき実体です。此の実態を握り得れば利益・報酬として影が映ります。利益という影を追う人が世の中に […]
日本企業停滞の原因(その1、製造業モデル) 入山章栄(早稲田大学大学院経営管理研究科教授) 1.僕はよく「製造業モデル」と言っているのですが、これは1990年代のバブル崩壊から、ほとんどの企業でこの仕組みは変わらず温存されています。変わるインセンティブがないので、変えたくても変えられない。製造業モデルは、経営よりも現場の力が強いのが特徴です。製品は均質で同一のものを作っているのが、歩留まりをいかに […]
武士道は商工業者にも必要なもの (解説)古(いにしえ)の商工業者は武士道に対する観念を著しく誤解し、正義、廉直、義侠、敢為、礼譲等のことを旨とせんには、商業は立ち行かぬものと考え、かの「武士は喰わねど高楊枝」というが如き気風は、商工業者にとっての禁物であった。惟(おも)うに、商工業者に道徳は要らぬなどとはとんでもない間違いであったのである。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会