- 2024年8月19日
リーダーの自覚すべき大義 田口 佳史(東洋思想研究家)
1.『書経』に、「天工人其代之」(天工(てんこう)は人其れ之(こ れ)に代(か わ)る)という言葉があります。風格の溢れ出る凛(り ん)とした名句となっているのは、国家や企業のトップが決して忘れてはならない箴言(しんげん)であるからです。「自分行っているこの仕事は、天の代行者として、天に代わって勤めているのだ」ということを肝に銘じてほしいといっているのです。 2.しかし天は、姿を現すことも、声を […]
1.『書経』に、「天工人其代之」(天工(てんこう)は人其れ之(こ れ)に代(か わ)る)という言葉があります。風格の溢れ出る凛(り ん)とした名句となっているのは、国家や企業のトップが決して忘れてはならない箴言(しんげん)であるからです。「自分行っているこの仕事は、天の代行者として、天に代わって勤めているのだ」ということを肝に銘じてほしいといっているのです。 2.しかし天は、姿を現すことも、声を […]
1.筆者が以前から指摘しているように、円の弱さの根本的な原因は次の3 点だ。①日本の実質金利が大幅にマイナスになっていること、②日本と他主要国の名目金利差が歴史的な大きさとなっていること、③日本の国際収支の悪化だ。つまり、今後仮にFRB が利下げを行って、ドル安基調となったとしても、円の弱さが続けば、結果的に円安・ドル高傾向が続く可能性がある。 2.円は21 年、22 年、23 年と毎 […]
1.怒りの根本をひもといてみると、そこには「思い通りにならない苦しみ」があります。結局、自分の都合通りにならないから、人は怒りに振り回されるのです。 2.自分自身の心を省みて、その「都合」が正当なものかを考え、感情をコントロールする方法を学ぶのが仏教の教えです。そして、感情をコントロールするためには、まず、相手を自分だと思って見ることが有効なのです。 (参考:名取芳彦監修「 […]
1.日本経済は今、転換点を迎えている。円安による消費者物価の上昇に賃金上昇が追い付かず、個人消費が伸び悩んでいる。国内需要に支えられて成長してきた企業は、需要低迷に苦しむ。かといって、不慣れな海外展開ではブランド力が弱く、現地の趣向も分からないため、成功を手にするのは難しいだろう。 2.だが、今は年間3000 万人以上の外国人が来日し、その消費力は高まるばかりだ。その需要を取り込むだけ […]
1.家計支出に占める食料品の割合を示すエンゲル係数が、2023 年9 月に2000 年以降での最高を記録した。さらに更新を続け、あとわずかで30%台に乗りそうな勢いだ。エンゲル係数とは豊かさの指数であり、その上昇は日本人が貧しくなったことの証左にほかならない。上昇の一因は食料品の値上がりにある。とくに生鮮食品の価格上昇が顕著だ。 2.食料品以外でも、さまざまな品目の消費が減少している。 […]
1.20 世紀以降、世界が大衆の時代を迎えると以前にはなかった善悪が出現します。他人がそれを不快に感じるという基準です。ニーチェの道徳論の思想からそれぞれ理解することができます。ニーチェは、大衆社会では「他の違う行動をする者は道徳的に悪だ」という考え方が社会に広がると、20 世紀の大衆化の時代を看破しました。 2.この20 世紀の思想は、昭和のおじさん世代に強固にしみついてしまった社会 […]
1.「怒りをつくり出しているのは、自分の心」だと言うと、「そうは思えない、自分を怒らせる人が悪い」「誰だってあんなひどいことをされれば怒るはずだ」と憤る人もいるでしょうが、果たしてそうでしょうか。 2.クレーマーになる人とそうでない人がいるように、同じ行動をとられた時に激怒する人がいる一方で、平然と受け流せる人もいるものです。つまり、怒りとは自分自身の心がつくり出しているものなのです。 […]
1.企業が「脱炭素」を果たすために不可欠な再生可能エネルギー。安価で安定的に調達でるかが、国や企業の競争力を左右する時代に入った。国際会議では2030 年までに世界の再生エネ容量を3 倍に増やすことになったが、日本は地形や気候条件、コスト面から欧州などに後れを取っている。既に再生エネを巡る国内の争奪戦は始まりつつあり、出遅れれば未来はない。 2.米アマゾン・ドット・コムやグーグルも世界 […]
1.明治時代の作家・斎藤緑雨(りょくう)という人の言葉に、「拍手喝采は人を愚かにする道なり」とあります。決して自惚れずに、自分を律することはとても大事です。 2.白隠善寺(はくいんぜんじ)の『遠羅天釜(おらてかま』という書物の中に出てくる話です。お釈迦様がある時、一番弟子の迦葉菩薩に質問なされた。「どのような修行をすれば、大涅槃(だいねはん)(悟り)に至ることができるか」と。すると迦葉 […]
1.中小企業の強みは柔軟に変化できること、同族経営が多いことだ。大企業も中小企業も優秀な経営者がいるかどうかが重要だ。中小企業は小回りが利き、全体を変えていきやすい。変革には20 年、30 年と長期の視点が必要だ。同族経営であれば、トップが長時間経営に取れ組める。変化の激しい時代は中小企業のほうが有利だ。これからは、中小企業の時代になると考えている。 2.イノベーションを生むには新しい […]