- 2022年5月9日
耳より情報2022年5月 No.209
裸の王様を生み出す組織の政治性 三枝匡(ミスミグループ本社名誉会長) 1.「組織の政治性」について考えたい。政治性の強い人は狡猾(こうかつ)である。経営者と真正面から議論することを避け、曖昧(あいまい)なまま妥協して引き下がりながら、仲間内では反対意見を垂れ流す。「面従腹背」は対立を避けて自分を守る手法だから、人間関係を長持ちさせる。そのステルス(隠密)性のおかげで、その人は昇進を続けたり、役員に […]
裸の王様を生み出す組織の政治性 三枝匡(ミスミグループ本社名誉会長) 1.「組織の政治性」について考えたい。政治性の強い人は狡猾(こうかつ)である。経営者と真正面から議論することを避け、曖昧(あいまい)なまま妥協して引き下がりながら、仲間内では反対意見を垂れ流す。「面従腹背」は対立を避けて自分を守る手法だから、人間関係を長持ちさせる。そのステルス(隠密)性のおかげで、その人は昇進を続けたり、役員に […]
競争もいろいろある (解説)由来競争は何事にも伴うもので、その最も激烈を極むるものは競馬とか、競漕(きょうそう)という場合である。その他朝起きるにも競争がある。読書するにも競争がある。また徳の高い人が徳の低い人から尊重されるにも、それぞれ競争がある。けれどもこれら後の方のものにおいては、あまり激烈なものは認めない。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会
突然現れた危機という感覚の罠(わな) 井上達彦(早稲田大学商学学術院教授) 1.2月下旬以降、世界を震撼させているロシアのウクライナ侵攻。多くの経営者は想定外の出来事として受け止めたようだ。それでは、経営者はどうのように対処すればいいのか。そのヒントは危機の認識の仕方にある。企業経営を左右する外部要因というのは突如として降ってくるわけではなく、その兆候がある。一つひとつの出来事は「点」に見えても、 […]
誰よりも努力する者でないと上に立ってはならない 辰巳満次郎(能楽師) 1.師として一番大事なことは、弟子たちに絶対追い越されないことです。いくらぶつかっても登れないような大きな壁になって立ちはだかること。師がそういう存在であり続けなければ、後に続く者のクオリティがどんどん下がってしまいます。能がいくら千年、二千年続こうが、中身が大したことなければ話になりません。自分が常に先頭に立って厳しい姿を見せ […]
顧客から欲しいと言われる前に、潜在的ニーズを満たす商品を出せるかどうか 滝崎武光(キーエンス創業者・取締役名誉会長、2003年「日経ビジネス」で語る) 1.キーエンスの営業の特徴は、1974年の設立時から一貫する直販体制だ。この点について滝崎氏は「付加価値の高い商品を作ることを追求してきましたが、カタログだけでは当社の商品の良さは分かってもらえない。商社に頼んでも開発者の意図を正確に顧客に伝えなら […]
商業道徳の退歩 (解説)世人ややもすれば、維新以後における商業道徳は、文化の進歩に伴わずしてかえって衰えたと言う。維新以来物質文明が急激なる発達をしたるに反し、道徳の進歩がそれに伴わなかったので、世人はこの不釣合の現象に著しく注目して、商業道徳退歩というのである。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会
非財務情報の開示度合いが企業を左右する 1.1月3日、米IT大手アップルの時価総額が3兆ドル(約340兆円)の大台を突破した。アップルの時価総額のうち、株主資本(株主が払い込んだお金と、これまでの利益の蓄積。総資産と総負債の差額)で説明できる部分はわずか2%しかない。残りの98%、320兆円以上の価値は決算書類のどこにも載っていないのだ。近年、時価総額のうち株主資本以外の部分は「非財務資本」(時価 […]
学を廃すべからず(佐藤一斎) 1.禅の高僧・松原泰道氏は言う。「佐藤一斎が『言志晩録』の中で、例え視力や聴力が落ちても、見える限り、聴こえる限り、学を廃すべらず、と言っている。私も老いてきましたが、この言葉を糧として死ぬ間際まで読むこと、書くこと、話すことは続けていきたい」。2.安岡正篤師の高弟・伊與田覺(いよださとる)氏は言う。「東洋の老いは人間完成に向けた熟成期なのです。年を取るほど立派になり […]
中興の祖の3つの能力 1.1980年代までは伝説として語り継がれた中興の祖が数多く存在する。では失われた30年で、中興の祖と呼ぶに相応しい人物は誰か。そのリーダーたちは大きく3種類に分けられる。会社の危機を救い再建を果たした経営者。新たな事業を生み出し、会社や組織の姿を大きく変えた経営者。最後が、既存事業をベースに海外展開などで事業を拡大した経営者だ。「会社が置かれたフェーズに合わせて、3つの能力 […]
能率が良くなる (解説)能率が悪いということは職工が何かにある語ですが、職工ばかりでは無い。通常の事務を処する人でも、この時間にこれだけの事をするということを遅滞なく完全に遂げて行くことが出来ると、仕事は沢山に出来て来る。すなわち、能率が良くなる。事務においてもなおしかりと思う。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会