耳より情報2021年6月 No.37

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

老舗企業、生き残りの共通点 曽根秀一(静岡文化芸術大学准教授)

1.日本は世界一の長寿企業として知られる。帝国データバンクによると、創業・設立から100年超の企業が3万3259社ある(2019年時点)。金剛組(大阪市)は、創業578年の最古の企業で、初代金剛重光は聖徳太子に招かれ、朝鮮半島から渡来し、四天王寺の建設にかかわったと伝えられる。以後、金剛家は四天王寺のお抱えとなり、代々建築工事で中心的な役割を果たす「正大工」の役を務めた。
2.注目するのは江戸中期に活躍した32代喜定が亡くなる間際に残した「遺言書」だ。喜定は遺言書で、「一番大切なことは、家名が安泰で相続することである」とする。その上で、喜定は長期存続に大切な心得を4つの視点から挙げる。第1に宮大工として学ぶべきこと。第2は対顧客の視点で出過ぎたことをしないよう戒めることを記す。第3は家の存続について、親類に相談し物事を決める合議を行うとする。第4が日ごろの生活態度への注意であり、例えば大酒を慎め、人を軽んじ威張ってはならない、などと諭す。
3.老舗企業の特徴との共通点が目立つ。一つは本業を大事にして事業展開していること。老舗が強いのは祖業の強さに由来することが多い。第2に長期的な視点。目先にとらわれない経営は老舗の強さとされる。第3に独自のノウハウや技術、理念が従業員にまで浸透していることである。


(参考:「日経ビジネス」2021年4月12日号)

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