耳より情報2021年8月No.73

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

経営者は感度を上げるべきだ(経済安全保障問題) 小柴満信(経済同友会副代表幹事・国際問題委員長JSR・日本合成ゴム名誉会長)

1.地政学や地経学の動向を踏まえて先端技術をいかに取り扱うかが、日本企業にとって極めて重要なテーマになっている。地政学リスクの分析を行う米ユーラシアグループは、「地政学こそボードイシュー(取締役会の重要事項)」と指摘しているが、まさにそのとおりだ。
2.改訂版のコーポレートガバナンス・コードには、またこうした要素が含まれていないが、日本の経者は経済安全保障に関して、もっと感度を高めるべきでないか。これまでのようにのんびりとしたグローバルゼーションの時代ではない、という危機感を持つことが必要だ。
3.経済同友会メンバーの研究テーマとして、長期的な歴史循環の流れや先端技術が国家や社会に与える影響などについて議論するつもりだ。日本は経営トップを含め、残念ながら内向き志向だと感じる。もっと世の中の動きにセンシティブになり、この問題に取り組まねばと考えている。
(注)三菱電機は2020年10月、「経済安全保障統括室」を新設した。デンソーは今年1月に「経済安全保障室」を、パナソニックは、経済安保や環境問題などの近年顕在化し始めたテーマに対応する「パナソニック総研」を4月立ち上げた。

(参考:「週刊東洋経済」2021年6月26日号)

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