このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
家庭に眠る不用品は37兆円
1.安倍氏は、2014年1月の施政方針演説で、「かつて日本は東京五輪の1964年を目指し、大きく生まれ変わった。2020年の東京五輪を日本が新しく生まれ変わる、大きなきっかけにしなければならない」と国民に訴えた。だが、消費者の財布のひもは固かった。日本の家庭に眠る不用品は総額37兆円にも上る。これではさらにモノを買い増しても、満足感を得ることは難しい。
2.「物質的にはある程度豊かになり、今後は心の豊かさに重きをおきたい」という日本人が6割に達している。2回目の東京五輪が消費拡大の起爆剤にならなかったのは、将来への不安に加えて、経済的に人より良い暮らしを送りたいという競争心はもうない。こうしたモノ余りと、それに伴う価値観の変化が背景にある。
(参考:「日経ビジネス」:2021年7月19日・26日号)